タンゴの賑わいと孤独
先週、東京六本木タンゴバー『トロピカーナ』へ、写真家の山崎エリナさんを誘って行ってきた。エリナさんは子供の頃、クラシックバレエやジャズダンスを習っていたそうで、タンゴは今回初めてだと聞いたが、さすがに足さばきや姿勢がとても美しかった♪
去年12月、デラロビアジャパン代表宮田和代さんに、初めてタンゴバー『トロピカーナ』へ連れて来て頂いた。ダンスは今まで一度も習ったことがない。そうそう大人になって、ジャズダンスに誘われてお試しレッスン中、気付くと首の血管が切れて内出血をおこしていた。この激しい動きは自分の体質には合わないのかななんて思った。
そういえば小さな子供の頃、従姉妹が通っていたクラシックバレエの発表会を見て、習ってみたいと母に伝えたコトを思い出した。あんな裸のような格好で、子供の癖に妙な化粧をして、とても醜悪だからやめなさいと母は顔をしかめた。物事をはっきりと否定する、当時の母のエネルギーは強烈で、金輪際そのコトについて黙るしかなかった。
宮田和代さんは、『トロピカーナ』へ友人のフランス人彫刻家を連れてきた。フランス人は確かにラテン系だと思わせるヒトだった♪ステキな大人たちと熱〜いエナジーが交わされ、私はピアソラの『オブリヴィオン』をまた弾いた♪
最近テレビで衝撃的な事実を知った。日本は無縁社会が拡がり、誰とも縁を持たないヒトが年間三万人以上、誰にも知られず亡くなっていると。愕然とした。いつから日本はそんなかなしい場所になったんだろう。そして今、ひとりでいる自分をかえりみた。いつ頃からか他者との関係を疎んじる傾向が長い時間をかけ、社会に蔓延り、誰もが無意識に少しずつ選択した結果、この極端な現実が浮かび上がってきたということか。その番組BGMは、風のようなサウンドだった。そこに、美しくエモーショナルな音楽やメロディは流れようもない。悲しみも喜びも怒りも様々な感情がはるか遠く、すべてが漂白されたような、ただ殺伐とした空気が凍るように流れ、微かに嘔吐をもよおした。
六本木タンゴバー『トロピカーナ』でひと時、誰とでも集ったヒトと寄り添える時間はかけがえがない。人生を彩るエモーショナルなリズムに浸った〜 Arico♪
by aricohibinoawa
| 2010-02-03 00:22