建築家横河健さんの言葉と眼差し

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先週末、名古屋今池ガスビルで、建築家横河健さんの講演会があった。以前から横河さんの建築が醸し出すシンプルで優雅なたたずまいに惹かれていたので時間を作って参加した。

横河さんは、誰にでもわかる言葉を選びながらお話しされ、その内容は全ての『ものづくり』の本質に触れる深さだった。今まで手掛けてこられた巨大な公共建築、個人のためのプライベートな居住空間のディテールが約200枚のスライドで映し出され、ご自身の創作の秘密を淡々と明かされた。その2時間はあっという間に過ぎ去り、場内が明るくなった途端、感動的なドキュメンタリ映画に紛れ込んで旅していたような、そしてその旅路が急に途切れたような感覚に囚われた。回りを見回すと、横河さんに憧れる建築学科の学生や、名古屋で建築に携わる沢山の人達で溢れて、あたたかなエネルギー交歓の『場』になった♪

講演の最後、質疑応答の時間から続いて、横河さんを囲む宴会場では皆さんひとりひとりが熱い語り口で、建築を巡る自分自身の悩ましい状況や、名古屋の建築業界の現状を吐露し始めた。横河さんの愛情のこもった建築哲学と真っすぐな言葉のエネルギーが、同じ志しを持ったヒト達の心に響き渡り、心地よく静かな方法で無意識の領域を揺り動かし、より高い志しの『場』に変わっていくのを目撃した。それは根源的な教育の在り方、そして血の通った美しいコミュニケーションのカタチだった♪

数年前、この世のモノではない格別な麗しさを放って最後の輝きを見せてくれた東京日比谷『三信ビル』。その保存プロジェクト団体会合で横河さんに出会った。三信ビル地下に昔存在したピータースレストラン。そこに集う人達の、幸せなひと時をイメージした楽曲『ピータースレストラン』をその時初めて発表して、三信ビルを何とか残したい気持ちを伝えた。主催サイドから横河さんのお祖父様の横河民輔さんが、三信ビルを設計されたと聞いた。それから間もなく、三信ビルは哀しいことに取り壊されたが、エフエム京都ラジオ番組『AricoPerter'srestaurant』の時間に再生され受け継がれた♪

建築家は設計を依頼され、その場所と対話を始める。そして深く観察する。横河建さんは先ず、そこに自分の心地よい居場所を見つけると語った。何の特徴もなく一本の木もない、だだっ広い場所に立つと、なかなか居場所が見つからず、途方にくれることがあると。その時、音楽の中にどんなふうに居場所を作るのか、いつもそのことを繰り返し考えてきた自分自身に気付いた。建築家がクライアントのために思考する時間、場所を見つめる眼差しから美しく静謐な音楽が聞こえてきた〜Arico♪
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by aricohibinoawa | 2010-02-06 15:52


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