憧れの人!!横河マリ子さんのお誕生日を祝して♪
最も憧れる女性のお誕生日をお祝いするクラシックコンサートが、代々木公園の彼女の素敵なお宅で開かれ、その息子さんである、建築家横河健さんのお招きで、観客として極上の音楽と空間を堪能してきました!
彼女の名前は横河マリ子さん。7月24日に90歳を迎えられる。今まで何度も聴いたけれど、マリ子さんのメゾソプラノは素晴らしく柔らかでエレガント!そこに在ってないような不思議な歌声はどこにも角がなく、天空から降ってくるように何とも神々しい。艶やかで奥床しく年齢を超えた美しい歌い手だ。
しかし今回、マリ子さんは右腕を骨折され少しお元気がなかった。「またお歌を楽しみにしています」とご挨拶すると「私はもう歌えないのよ・・」ちょっと哀しげに呟かれた。一瞬落涙しそうになった。
コンサートがはじまった。篠崎功子さんのバイオリン、下村洋子さんのソプラノ、三浦みどりさん、小川京子さんのピアノ、村上陽一郎さんのチェロ、四戸世紀さんのクラリネット・・マリ子さんを慕う音楽家の皆さんは、日本のクラシック界を牽引してきた方々だ。深く温かな音色が、花や緑で飾られたレトロな色調の木の壁を伝い、50人を超えるお客さんがひしめくリビングルームを、ゆっくり満たしていった。
今夜は70〜80代の演奏家が中心だった。皆さん今なお日夜研鑽を積み生き生きと、新たな命を音楽に毎舜吹き込んでおられた。美しい音楽を何処までも追い続ける姿勢に深く共感した。
コンサートが終わり、隣の部屋に用意されたお弟子さんたちの心のこもった数々の手料理を頂いた。胃袋が充たされた後、またリビングへ戻り、一息つけば音楽がはじまりその後アンコールが続いた。
マリ子さんが途中目配せして今夜は弾かないの?とばかりに私を見た。私に気を使って下さったのだ。でも何となく今夜は聴衆の一人でいたかった。マリ子さんや息子さんの健さんにAricoさん弾いて!とはっきり言われればもちろん弾いたけれど、みんなそれぞれ色んな方向に気を使いあった感じだった。そして今夜は聴衆として、音楽をこころゆくまで愉しめた。
幸福なコンサートの締めくくりは、バッハの「主よ、人の望みの喜びよ」を演奏家の皆さんと、マリ子さんのお弟子さん達がコーラス部分を大合唱!本当に感動的なコンサートだった!音楽ってホントに素敵!ずっと続けている音楽の先輩達に勇気を一杯頂いた!クラシックもやっぱりいいな!ジャンルなんて突破して興味の向くまま演っていこう!音楽のエナジーに打たれ続けた夜だった。
最後に、私が一瞬で魅了された日比谷の三信ビル(写真)今はなくなったけれどその保存プロジェクトで横河健さんと出会った。横河さんのお祖父様が三信ビルを建てられたのだが、人を酔わせたその空間の隅々まで響き渡る気配はマリ子さんの歌声に、同じく今、健さんの建築に宿っている。
by aricohibinoawa
| 2013-07-01 03:11