ド~コカデ~ダ~レカガ~キ~ットマッテイル
市川崑監督の追悼番組が今、目白押し状態。写真は映画「細雪」の一場面。
10代前半の頃、私のヒーローはTVドラマ「木枯らし紋次郎」の紋次郎だった。
それまで見ていた時代劇とは、全く異質な世界がそこに拡がっていた・・・♪
そのもう少し前に多分放映していたTVドラマ「三匹の侍」も、どこかユーモラスでシニカルで好きだった。三人の侍が全く違う個性を持っているのが面白くて、よく見ていた。
「木枯らし紋次郎」はタイトル通り、荒涼とした土地に強い風が吹きすさぶ中、紋次郎が長~い楊枝をくわえて、三度笠姿でいつも一人っきりで立っていたような♪その孤独感と秘めた野生がたまらなくカッコヨク見えた。オンナが寄ってきてもいつだって近寄らせない。ほとんどニコリともしない。基本的にストイックなコト。私の場合それだけでかなりポイントが高い♪
とにかくその頃から今まで、あまりオトコの趣味が変わっていないコトに気付いた。そーゆー基本的にムツカシイヒトを無意識の内に振り向かせ、気付くとお互いに堕ちている。それが恋愛至上主義者の王道だ♪
例えば市川雷蔵のような、わかりやすいカリスマ性や、あの円月殺法のようなスタイリッシュなカタチから究極に程遠い無骨さ~刀で切り合うというより、肉弾戦さながらくんずほぐれつ汗ミドロになって、着衣も乱れて泥水で汚れまくり、やっと最後の最後にシトメルような、なんだかそれって強いのか弱いのかわからないしカッコワルイかも~な紋次郎の独特な殺陣♪
そのいつもすんなりとはいかない、非常に人間くさい超リアルな闘いを、ハラハラしながら体に力が自然に入ってしまう程、一生懸命に見入っていた♪
特に好きだったのが、紋次郎が食べるシーン♪
遠い記憶ではいつもナニモノかに追われていたようだった。そしていつだって飢えているのに、けっして自分からは欲しないイメージ。けれども誰かの施しがあって、お粥のような形状の食べ物を、いつもおはしを二本わしづかみにして、お椀の向こう側からこっちへスゴイ勢いでたった数秒間で掻っ込んでいた♪それが何故か私には特別なご馳走のように映っていた♪
その頃頭ではイロイロな知識を持ってても、エロイコトってナンダカまだ具体的には全然わからないお年頃ながら、セクシャルな感覚~ある種の高揚感を持って、好意的な視線で眺めてた最初のシーンだったような気がする・・・♪
「木枯らし紋次郎」~その独特な美学を貫いた世界を、大衆に向けてテレビ画面で創っていたのが、あの大好きで超マニアックなドキュメンタリー映画「東京オリンピック」の市川崑監督だった。映画「黒い十人の女」もかなり好きな世界。ホントに一度お会いしたかった・・・~Arico♪
by aricohibinoawa
| 2008-02-19 02:30