隣の土地からの贈り物♪
岐阜へ着いた夜、家の前の道のすぐ側に、黄色い花が咲いたように明るく感じた一角があって目が吸い寄せられた。よく見るとそれは花ではなく隣の土地にたわわに実ったみかんだった。下を見るとその立派な実がもういくつか落ちていた。今一番食べ頃なのに勿体ないなあ。思わず垣根から道へはみ出した分をいくつかハサミでチョキチョキ枝から切りとった。夜遅い静かな時間にチョキチョキ音はすごく響いてドキドキ。こんなコトをしたのは初めてだ。採れたての果物はこんなに新鮮で味わい深いものなのだと感激した♪
その場所に家はなく、みかんのほかは柿やいちじく、紫陽花などが植えられた、うっそうとした庭だけだ。数カ月に一度ほど持ち主が来て手入れをしているようだが、何十年もほとんど顔を合わせるようなことはなかった。数年前のある日、玄関から庭へ出たところで、隣の土地で草木の手入れをするご主人らしきヒトとバッタリ。目が合ったのでご挨拶して二言三言交わした。それから採れたての果物や野菜などを何度か持って来て下さったが、またここしばらくご無沙汰が続いている。自分が収穫に来れない時もあるので、いつでも採って食べて下さいとご主人から言われていたが、まだ一度も採ったことがなかった。そして今夜初めて収穫したのだ。このみかんの木がいつ植えられたのか、こんなに立派に大きくたわわになるまでどう成長したのかなんて、今まで私には全く縁遠い世界だった。
最近テレビで見た炭焼き職人は、とても美しくていい顔をしていた。炭焼きは大変根気のいる作業で、炎との格闘が延々と何日も続きその間寝ないで番をするそうだ。その苦行のような大変な作業が一段落した時に見せた表情はとても神々しかった。毎年、オーガニックレモンや甘夏柑を送って下さる、愛媛で自然農法を長年続ける泉さんも、テレビで見かけた炭焼き職人と共通したとても美しい表情をしている。今年も国産レモンが採れる季節が始まったがその電話注文の時、泉さんの声を聞くと何だかとてもホッとする。土を大切により豊かにするヒト。木や植物の近くにいていつもその気配を感じて暮らすヒト。自然の存在に畏敬の念を抱くヒトは本当のアーティストだと思う。最近は隣家のご夫婦をずっとお見かけしないが元気だろうか?みかんはとても美味しくなりました!早く来て収穫して下さい!気にかかって眠れない〜Arico♪
by aricohibinoawa
| 2009-11-04 04:00