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京都『高麗美術館』の時間

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昼間外へ出ると気が遠くなりそうな程暑い。夏はこんなにも暑かったんだな。岐阜へ帰って深夜、秋の虫の音に包まれてホッとする。京都は堀川通をまっすぐ北へ突き当たり手前、加茂川中学校の西側。竹林の先に『高麗美術館』その辺り一帯は真昼間から涼やかな気配が漂い、ただ今開催中「花卉草蟲」花と虫で綴る朝鮮美術展へ行ってきた。





朝鮮時代前期〜末期中心(15〜19世紀)のユーモラスで大胆。繊細で優雅なカタチたち。細密に掘られた日月〜陰陽を含んだ硯の意匠、螺鈿の黒く光る大きな箱、紙を焦がしながらかたどる絵画の濃淡が何とも魅惑的だった。伊藤若冲を思い出した点描画は、ほぼ同時代に描かれていたと聞いて、時代を遡って日本と朝鮮の関係、朝鮮時代の独特のカタチに興味を抱いた。高麗美術館研究所の片山さんや山本さんに色々とお話しを伺った。1700点を超える朝鮮の素晴らしい古美術を日本で長年集められ、高麗美術館を創立された鄭詔文さんの存在。美術館に数多く収められた珠玉の作品を通じ、故人となられた鄭さんの故郷への限りなく熱い志しに触れたように感じられて、何かとても切ない気分になった。





高麗美術館前の高麗美術研究所の一角(写真)でゆっくり韓国茶をいただいた。甘酸っぱさが好きでいつも選んでしまう五味子茶とヨモギと小豆入韓国餅を食べ、夏バテな身体にとても効いたように感じた。展覧会開催期間中の週末、河原町今出川南の季朝喫茶『季青』からの出張サービスはこの季節にピッタリ。とても心地よい時間だった♪





同会場にはいつも素敵なマダム、季青オーナーのチョン・ヨンヒさんや、ポジャギに深く魅了され作家としてご活躍の中野啓子さんがいらした。大変ご無沙汰していたので久しぶりの再会とてもうれしかった!河原町今出川南『季青』や三条通烏丸西『素夢子古茶家』は、どちらも共通した雰囲気があってとても魅力的な空間が拡がっている。





闇と光の無造作な配置。朝鮮の生活に根差した優雅かつ素朴な力強いカタチ。そこには、アジア人共通の美意識や謙虚さが一服の清涼剤〜小さな風のように派生して、いにしえ人の生活に根差した独特の美に一瞬触れたように感じられる。そしていつのまにか遠ざかってしまった大切で温かな気配に気付いてホッとする。高麗美術館では9/3から女性たちの糸と針の造形『刺繍ポジャギとチョガッポ展』が始まります。一度、足を運んでみてください。きっと体内時間の流れが優雅に、そして豊かに変容すると思います。
by aricohibinoawa | 2011-08-15 04:17


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