すでにもぬけの殻・・・
今日はほぼ半日、彼~三信ビルの側に寄り添っていた・・・風の強いとても寒い日。見上げると雲がどんどん流れていく。本日で建物内部へも入れなくなるので、カフェ・ニューワールド・サービスのソファに午前中身を沈めて、熱いカフェ・オレをゆっくり味わった。ランチ時間になると、いつしか店の外には長蛇の列。みんな今日、お別れに来たヒトだ。そうやって此処は77年間、多くのヒトに愛され続けてきた。けれどすでに彼の魂はもぬけの殻・・・建物自体は昼間の春の光の中で、もう完全に干からびた昆虫のよう。去年11月にはまだ微かに呼吸~小さな虫の息や振動を感じられたのに、今は全く失せて静まり返っている。やはり昼間から来なければよかった。こんなになった彼の姿は見たくはなかった。でも今日逢う以外考えられなかった・・・。このところ仕事等予期せぬ嬉しい展開もあり、遠足前の子供のような興奮状態がしばらく続いて、いつも寝不足気味の私の危うい身体は、季節外れの冷たい空気に終始震えながら、春の強い風が吹き荒ぶ中、日が傾くまで、強風よ
り手強い視線で彼~三信ビルだけを見つめ続けた・・・。多分今日が最後になるかも知れない悲愴感と同時に、言いようのない幸福感に充ちて・・・。どうしてこんなに惹かれてしまったのかわからない。この三信ビルへのリアルでドラマティックな想いは、今まで経験したことのない、それまでの自分自身を遥かに超えた情熱とまっすぐな行動力を私に授けて、永遠に謎と化した・・・~Arico♪
by aricohibinoawa
| 2007-03-31 03:39