流行りのオヤジになれない男です。
まじめ。奈良~朝日新聞土曜版に出ていた、近鉄の新聞広告キャッチコピーを見つけて、瞬間吹き出しつつグッときてしまった♪そういえば奈良はずいぶんご無沙汰しているな~。久しぶりに東大寺~戒壇院の四天王像に会いたくなった。以前から奈良はとても惹かれる場所だ。京都の街の一角や観光地や食事処などに感じる、わかりやすく過剰な艶めいた媚び~それは長い間に培われた知恵、ある種の洗練に繋がるものではあるけれど、そういう類の色気とは無縁な、奈良の簡素な街のたたずまい。枯淡の味わいや野趣溢れる魅力。何も飾る必要のない諦観のような、地に足のついた静かな自信のような・・・。あまり加工されてない生地の魅力。例えばインドのタッサーシルクのような味わいを、奈良の街には強く感じる。あの長くうねうねと続く、手付かずのままボロボロな塀の壁土はまだそのままあるのだろうか・・・それが独特の美しい景観の一部で、それさえ美しい調和かも知れないと奈良の街で感心して以来、もう7年近く経ってしまった。どこまでも受け身な、柔らかな表情の仏像
も好きだけれど、私は何故か不動明王にとても惹かれる♪いつの頃だったかお不動さんに護られてる夢を見た。その後あんたの守り神はお不動さんらしいよと、母に言われ・・・。家の本棚にあった古い本~井上政次箸「大和古寺」の戒壇院のページを開くと、京都市発行の古い電車回数乗車券が挟んであった!昔の切符は小さなザラザラした和紙の優雅なデザイン。切手やタバコのデザインも同様に、昔の方が繊細でしかも大胆だった。全てが今は一様に、ガサツな時代だと時々感じてしまうのは、私が歳をとりすぎたせい・・・?父は、その本を買った記憶が全くないという。伯父・・・?父は小学校時代、京舞舞踊家~一つ前の代の井上八千代さんのお家に住んでいた。母親の遠縁の関係で、どうやら将来観世流の能楽師としてたてるようにと、岐阜の家から出されたようだ。その頃父は毎朝学校に行く前、そして学校から帰ってからも毎日毎日、竜安寺近くの八千代さんのお家の庭にあった野外能舞台で、ご主人の片山さんの指導で謡の練習に明け暮れていた・・・。そしてある日、いつも
のように庭の能舞台で謡を習っていると、隣の家からクラシックピアノの甘美な音が聞こえてきて、たちまちその虜となった父・・・人生は本当に一瞬で変わる♪私がピアノを続けているコト。京都に暮らす、あなたこなたのご縁。今日、新聞のコピーから奈良の街を想い出し、黄ばんだ本を取り出して挟んであった古い小さな切符を見つけた不思議♪今度はまた私を何処へ運んでくれるのだろう・・・?~Arico♪
by aricohibinoawa
| 2007-10-01 01:37