フラジャイル
スティングのフラジャイルを繰り返し聞いている。11月7日、京都LiveSpotRAGでコラボレーションする佐藤弘樹さんが、自ら編集して下さったCDの中に入っていた♪
「フラジャイル」は私がとても若かった頃、初めて深く堕ちた恋の相手が大好きだった曲で、繰り返し一緒に聞いていたコトを思い出した。今から思えば、大きな影響を受けたのかも知れない。随分長い間会っていないけれど、今でも大好きなヒトだ。
彼の撮る写真、彼の描くデッサン、作ってくれた無国籍な料理、匂い・・・彼がアジアの小さな打楽器を片手で鳴らしながら、即興で奏でるピアノに泣いた。
彼は何を演っても本質を掴んでいて、自然体で軽々と当たり前のように出来た。アーティストとは彼のような存在のことだと信じていた。しかし世の中に出るつもりなど全くないヒトで、世俗的なコト、人間の存在、何より自分自身をとても忌み嫌っていた。自分自身の無意識に向かって瞑想を続けていた・・・
彼が側にいれば他には何もいらなかったあの頃・・・そしていつからか一緒にいる無上の幸福が、たまらなく孤独感を募らせた。
私が奏でるピアノの音色を彼は覚えていて、メジャーデビューした後、ラジオから流れたピアノの音を聞いて瞬間私だとわかったと。曲が終わってAricoという懐かしい名前を聞いたと、別れて10年ぶりくらいに電話をくれた。
スティングのフラジャイルを聞くと、ミケランジェロの彫刻に似た、全てを諦めたような特別美しかった浮世離れした横顔、その中心に在ったいつも哀しい色を帯びた眼の輝きとくちびるの官能的な膨らみ、そして美しい思い出だけが鮮明に通り過ぎ・・・~Arico♪
by aricohibinoawa
| 2008-10-23 02:34